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2025年03月18日(火)

現代社会においてもはや当たり前の存在、「法人」。 なぜ、そんなものが必要だったのでしょうか?

世界初の株式会社は東インド株式会社です。香辛料を得るために皆で出資して利益を山分けするシステムですね。では世界初の法人は? なんと、古代ローマ帝国まで遡ります。

ローマは神の手ではなく人の手で法を作り、理論化したという意味で非常に画期的な文明でした。法人が生まれたきっかけは神殿や、ギルドなどの「共有財産」を誰に帰属させるかという問題でした。

誰が管理するのか?責任は?収益は?管理者が亡くなったら? 小さな共同体ではみんなのものだからみんなでやろう!となりますがローマではそうもいきません。その結果、法のもとで帰属人を架空の人Aさんにすることにしました。これが「法人」の起源です。

 

法によって扱われることで、契約もそのAさんがする。収益もAさんが持つ。運営が変わってもAさんが残る。 そう、つまり「法人」とはフィクションです。複雑な社会を維持するために生み出した発明です。

そんなこんなで生まれた法人は、東インド株式会社、現代と続いているわけです。

 

「法人」は意思も欲望も持たない存在です。しかし、運営するのは人間です。株主や経営者が、自分の利益のために制度を使うと、形式的には合法でも「それってどうなの?」と思われるようなことが起きてしまいます。

たとえば、出資や資本の操作によって、特定の株主にだけ有利になるような仕組みをつくることも可能です。税法や会社法は中立的なルールとして法人を扱いますが、実際には人間の欲や戦略がそこに入り込み、制度の隙間が問題になることも少なくありません。

法人には目的別で税法会計、会社法会計、企業会計の3つが相互に密接に関係しており、非常に複雑です。昔と今を比較しても、どれだけその存在が重要視されているかがひしひしと伝わります。

 

Kirin