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2024年02月29日(木)
消費税のインボイスの兼ね合いで、これまで免税事業者だった事業者が課税事業者になったケースの申告書の取扱いが増えてきました。 今回は「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)」の概要についておさらいしていきたいと思います。 ※以下国税庁HP参照 インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になられた方については、仕入税額控除の金額を、特別控除税額(課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額)とすることができます(いわゆる2割特例)(28改正法附則51の2①②)。 いわゆる、売上の預かり消費税の2割を確定消費税として納税することができる制度です。 2割特例の適用に当たっては、事前の届出は必要なく、消費税の申告時に消費税の確定申告書に2割特例の適用を受ける旨を付記することで適用を受けることができます(28改正法附則51の2③)。 また、2割特例を適用して申告した翌課税期間において継続して2割特例を適用しなければならないといった制限はなく、課税期間ごとに2割特例を適用して申告するか否かについて判断することができます。 事前の届出が不要で簡易課税のように2年継続適用しなければならない等の要件もございません。 2割特例を適用できる期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間となります。 (免税事業者である個人事業者が令和5年10月1日から登録を受ける場合) 令和5年分(10月から12月分)の申告から令和8年分の申告までの計4回の申告が適用対象範囲となります。 (注) 課税事業者がインボイス発行事業者となった場合であっても、当該インボイス発行事業者となった課税期間の翌課税期間以降の課税期間について、基準期間の課税売上高が1千万円以下である場合には、原則として、2割特例の適用を受けることができます。 注意点として2割特例は、インボイス発行事業者の登録がなかったとしたならば、消費税を納める義務が免除されることとなる課税期間を対象としていますので、例えば、基準期間における課税売上高が1千万円を超えるような課税期間については適用することはできません(28改正法附則51の2①)。 こちらがよく抜け漏れがあるケースで、免税→課税事業者になったケースでも常に基準期間の消費税判定があるという意味合いですのでご注意ください。 また、通常は簡易課税を選択する場合、その適用を受けようとする事業年度開始の日の前日までに届出を行わなければなりませんが、免税事業者がインボイス発行事業者の登録申請を行った場合には、登録を受けた日から課税事業者となることができる経過措置が設けられております。(28改正法附則44④) この経過措置の適用を受ける場合、登録開始日を含む課税期間中に消費税簡易課税制度選択届出書を提出することにより、その課税期間から簡易課税制度を適用することができます(30改正令附則18)。 よく2割特例を適用としており、基準期間の消費税判定をしておらず、蓋を開けてみたら基準期間判定により課税事業者になってしまっていたというケースが多々ございます。 しっかりと基準期間による消費税の判定を行いましょう。 特に売上が5,000万円以下で簡易課税計算の方が有利という事業者は2割特例を適用しているケースですと多いと思います。 特に決算月に当期の消費税の計算方法、翌期間の消費税の計算方法については必ず確認するようにしましょう。 丹